2: ◆twOYNJxMJs[saga]
2017/10/06(金) 00:30:56.48 ID:h7xFOhfZ0
  
 ピピピッ……!ピッ…! 
  
 「ふわぁ……また同じ夢を見ちゃった」 
  
 目覚ましのアラームと共に現実の世界に引き戻された私は、まだ眠たげな目をこすりながらベッドから起き上がります。 
 目的は棚にしまってある宝箱、宝箱と言っても実際はただのケースですけどね。 
  
 「良かった……ちゃんとあった……」 
  
 宝箱から取り出したのは鍵のアクセサリーがついたネックレス。 
 私が事務所のオーディションを受けた時、初めてステージに立った時、大事な時にはいつもこの鍵が私のそばにいてくれました。 
  
 「この鍵があればあの扉も開くのかな」 
  
 大事な宝物を見ながら夢のことを思い出します。 
 真っ白な世界に佇む開かない扉……この鍵があればきっと…… 
  
 「ってもうこんな時間だっ! 行かなくちゃっ!」 
  
 柄にもなく考え込んでしまったのかもしれません。気づいたら日課のランニングに行く時間になっていました。 
 今日は次のライブに向けての大切なレッスンがあるので遅刻するわけにはいけません。 
 手早く準備を済ませた私は、外へ駆け出していきました。 
  
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