モバP「そろそろいきましょうか」瑞樹「そうね」
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11: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:48:26.65 ID:j2st42DJ0
 そして花は散るものだ。その季節が、遅からず彼女にもやってくる。 
  
  
 惜しまれて散るのが花という。 
  
12: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:48:55.15 ID:j2st42DJ0
 瑞樹さんがいつからだろう。 
  
 「疲れた」 
  
 しか言わなくなってしまったのは。 
13: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:49:23.99 ID:j2st42DJ0
 人間、生きるのに理由はいらない。 
  
  
 ただそう『在れば』いいだけの話。 
  
14: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:50:05.85 ID:j2st42DJ0
 話のきっかけを持ちかけてきたのは瑞樹さんからだった。 
  
 「プロデューサーくん。死にたい って、思う時、ない?」 
  
 「いきなり何を言いだすんですか」 
15: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:50:41.51 ID:j2st42DJ0
 「瑞樹さん、最近眠れてますか」 
  
 「その『瑞樹さん』って呼び方、そろそろ直らないのかしら」 
  
 苛立っていた様子だった。瑞樹さんは強い口調でそう言った後、弱々しく 
16: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:51:09.60 ID:j2st42DJ0
 長い間彼女を担当してきて、守るべき一線を超えないように努めてはきたが、ここ最近の彼女の言動は気にかかる。 
 そう思った俺は、多少強引にでも瑞樹さんを立ち直らせるために、彼女の家で酒盛りをしようと画策したのだった。 
 空腹と寒さは容易に死を誘引する。ならばその原因を絶ってやればいい。そう思っていた。 
  
  
17: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:51:46.45 ID:j2st42DJ0
 事務所からはそう離れていない彼女の自宅に、ありったけのいい酒といいつまみを持ち込んで、酒盛りを決めた。 
 早苗さんや楓さん、心さん美優さんなど、彼女と仲のいいメンツも誘おうと考えていたが、 
 都合がつかないのと、何より瑞樹さんが「やめて、呼ばないで」というものだから、結局2人きりの飲み会を瑞樹さんの家でやるだけになってしまった。 
  
 「……あの子達の前で『死にたい』なんて言っちゃったらどうするのよ」 
18: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:52:27.19 ID:j2st42DJ0
 「……ふぅ」 
  
 「体にしみるわね。やっぱりお酒はいいものだわ」 
  
 「ちゃんと食べるものも食べてくださいね。片付けは全部俺がやりますから」 
19: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:52:56.62 ID:j2st42DJ0
 「なんだかんだたくさん食べましたね」 
  
 「貴方が『あれも食えこれも食え』っていうから、許容量超えつつあるわ」 
  
 「瑞樹さんに食べて欲しかったので」 
20: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/10/07(土) 02:53:36.64 ID:j2st42DJ0
 寝る準備をした。寝具は家から持参している。 
  
 「やたら大きい荷物持ってきたと思ったら、本当に泊まる気だったのね」 
  
 「泊まるって言ったんで」 
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