16:名無しNIPPER[sage]
2017/10/09(月) 03:13:30.46 ID:Qz0ENqNrO
「…………良かったよ」
「翼?」
ボソリと、翼にしては珍しく弱々しい言葉。
きっと私しか聞いたことのないような弱み。
「本当は未来があんなこと言い出して……不安だったから」
……そうだったんだ。
翼も私と同じ気持ちでいてくれたんだね。ケロッとしてる風に装ってた癖に。
嬉しかった。私だけが相手のことを大切に思ってるなんて、少し寂しいことだもん。
「私だって寂しかったし、一日中ドキドキしてたよ」
でへへ。
ふと、翼の表情が見たくなって手を離す。橙色の日の光が翼の表情を覆って――それでは隠しきれないくらいの赤色が見えていた。
「翼、顔真っ赤だよ」
「未来だってそうでしょ」
えっ。自分の頰に指を添えると、いつもよりも熱い私の温度が滲み出ている。
気づかなかった……でも、そうだよね。翼といると何だか楽しくて、燃え上がるみたいだもん。
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