高垣楓「純情な恋する乙女なんて如何でしょうか?」
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27: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/10/18(水) 19:36:59.98 ID:nmXeqSyFO


「隣、いいですか?」

「人となりを良くしてからでしたらどうぞ」

 楓さんがスマートフォンを置き此方の反応を伺っていたがスルー。
 気にせず彼女の隣に腰かけた。
 スーツ姿だしなりが悪いとは思いたくない。
 人が良いかどうかは知らない。

 人が誰も残っていないロビーの、正面玄関付近のベンチで二人。
 なかなかどちらも口を開かず雨の音だけが聞こえてくるが、そんな静寂もどことなく心地よい。
 雨は止みそうにないが、いっそずっとこの時間が続けばいいのになんて思ってしまう。

「雨、降ってくるなんて思ってなくて……ですから、止むまで一休みしてました」

「どうなんでしょう。この後止むんですかね」

「分かりません。ところでプロデューサー、コーヒーは如何でしょうか?」

 そう言って、楓さんは此方へ缶コーヒーを差し出した。

「誤って二本買ってしまったので、貰っていただけるとありがたいです」

「そういう事なら遠慮なく。ありがとうございます」





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