道明寺歌鈴「たくさんのぎゅっと、少しのちゅっと」
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11: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:16:51.47 ID:O7v1Yh1Do
目を開けて、名残惜しさを感じながらゆっくりと離れて。
さっきまでそこにあった温もりが通り抜ける風によって奪われていくのが分かりました。少し寂しくて、恐る恐る手を差し出したら優しく包んでくれました。
ありがとうございます。と呟いた声は、がたんごとん、といった音にかき消されて、その音もゆっくりと眠りにつきました。
「……きちゃいましたね」
「長いような、そうでもなかったような」
「じゃあ、また見逃しちゃいますか?」
「それは嫌だな」
って、苦笑いしながら言ったプロデューサーさんに引かれて、光のこぼれるその中へ。
とん、とんってわざと足音を立てながら飛び込んで。それを待ち構えていたかのように閉まった扉から振り返ってお別れを。
月明かりに照らされたそこはどこか淋しげで。正真正銘の無人となったこの駅はまた明日になればきっとまた色んな人を受け入れると分かるのだけど、今にも消えてしまいそうでした。
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