6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/29(日) 00:49:29.27 ID:xEnS6ULnO
暗い声。目を伏せたジャンヌがぽつりと漏らす。
僕はそれに反論。抱き締める力を強めて、伏せられた瞳へまっすぐに視線を向けて。そうして言う。心を込めて。
「……私のこと、好きですか?」
「うん」
「大好きだ、って思ってくれていますか……?」
「思ってる。ジャンヌのこと大好きだよ」
「本当ですか?」
「本当だって」
「それなら……」
「なら?」
「愛していますか?」
「愛?」
「はい。……他のどんな誰よりも。他のどんな何よりも」
「もちろん。愛してる。他の誰でも何でもない、ジャンヌのことを僕は」
「……」
「……」
「……ふふ」
「?」
「ふふ……えへへ……ごめんなさい」
ふにゃ、と緩んだ。
それまで目を伏せ暗くなっていた表情が柔く緩んで、そして『ごめん』と謝罪の声。
「えっと……?」
「ごめんなさい。私、嘘を吐いてしまいました。……貴方へ囁きを注いだ、なんて嘘を」
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