9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/29(日) 00:51:45.47 ID:xEnS6ULnO
「頬を撫でました。髪を弄りました。……それで、それと、その……」
「それで、それと?」
「…………キスを……」
「ん?」
「……キスを! 貴方と! ……その、勝手に……キスを……」
頬を濡らす紅色を深く塗り重ねながら、ぱたぱた、と取り乱すジャンヌ。
落ち着きのない彼女を抱き締めながら聞く。背中を撫でて、ぽんぽんと叩いて、言葉の続きをそっと促す。
「キス」
「あっ、でも唇にはしていませんっ。それは駄目。それは貴方の承諾なしに触れてしまってはいけないもの、ですから」
「そっか。……それじゃあ」
「?」
「どこにしたの? キス。僕に」
「え、あえっと……」
「ん」
「……その、頬に何度か…………」
「頬に?」
「はい……」
「そっか」
「……あと」
「うん?」
「あと、それから……額にも……」
「額」
「瞼と……鼻と……耳と……」
「……ん?」
「……」
「……」
「……え、へへ……ごめんなさい……」
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