12:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:34:12.50 ID:wevA400bO
ハロウィンの朝は気持ち良い晴れ空でした。黒猫さんと出会った時の空のようです。
プロデューサーさんにお願いして、本番前に私と藍子ちゃん、2人でゆっくりする時間を作ってもらいました。
「おはよう、美穂ちゃん」
「藍子ちゃん…おはよう…」
よ、よし…!
「あ、あの、藍子ちゃん!」
「美穂ちゃん…?」
「と、トリック オア 黒猫さん!」
「え…?」
あ、これじゃあ私が黒猫さんもらう方だ…!もうこうなったらこのまま…が、がまだせ、私!
「トリック オア 黒猫さん!」
「く、黒猫さん…」
戸惑いながらも藍子ちゃんは答えてくれました。
「じゃ、じゃあ藍子ちゃんには黒猫さんをあげちゃいます、はいっどうぞ」
「え、どういう…?あ…!これ…!」
藍子ちゃんの手に少しいびつな黒猫さんがちょこんと収まりました。
「えへへ…穂乃香ちゃんに習って作ってみたんだ。藍子ちゃんに元気になってほしくて、それで…ひゃっ!」
気付くと藍子ちゃんは私の胸に顔を埋めて、肩を震わせていました。
「ぐすっ、ありがとう、ありがとう、美穂ちゃん…!」
「あ、藍子ちゃん…うん…寂しかったよね、辛かったよね」
「うん、うん…悲しくて、でもこんなこと初めてで、どうすればいいのかわからなくて…!」
藍子ちゃんの心が解きほぐされていくのを感じました。黒猫さんが助けてくれたのかな?
私は藍子ちゃんに気持ちが伝わるように、ぎゅっと抱きしめ返して言いました。
「もう、大丈夫だからね」
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