6:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:18:08.04 ID:qT/AyJQb0
  
  もうすぐ夜が来る、そう感じるタイミングが日に日に早くなる。まだ赤く染まりきっていない夕空も、すぐに暗闇が覆い尽くしてしまうだろう。 
  
 ヴィーネ「何見てるの?」 
  
7:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:18:59.75 ID:qT/AyJQb0
  
 ガヴリール「にしても」 
  
 ガヴリール「秋ってなんでこんなに物悲しい気持ちになるんだろうな」 
  
8:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:20:42.32 ID:qT/AyJQb0
  
 ヴィーネ「そうするとね、浮き足立ったような気持ちが街を流れる空気に変わって」 
  
 ヴィーネ「毎日がとっても騒がしい日々に感じるものなのよ」 
  
9:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:22:02.96 ID:qT/AyJQb0
   
  ヴィーネが私の2、3歩分前を歩く。拗ねるとよくこうなるんだけど、今日は特段彼女を怒らせるようなことはしていない。してないよな? 
  早足になって、ヴィーネの服の袖を掴んだ。 
  
 ガヴリール「なんか怒ってる?」 
10:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:24:13.07 ID:qT/AyJQb0
  
 ガヴリール「じゃあはい、手袋外して」 
  
 ガヴリール「手、出して」 
  
11:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:25:06.64 ID:qT/AyJQb0
  
 ヴィーネ「…夏、一緒に遊んだじゃない」 
  
 ヴィーネ「…楽しくなかった?」 
  
12:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:26:24.71 ID:qT/AyJQb0
  
  そんなバカなやり取りをしながら随分と坂道を登ってきた。振り返ると市街を眺望できる場所まで来ていることに気づいた。 
  
 ヴィーネ「あっ!」 
  
13:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:27:42.98 ID:qT/AyJQb0
  
 「お好きな席へどうぞ」 
  
  迎え入れてくれたのはちょうどいいくらいの暖房と、想像以上に若い店主と、紅茶の香り…ではなくキャラメルの香りだった。 
 店内は教室二つ分くらいの広さで、落ち着いた雰囲気の中に小粋なジャズがBGMとして流れている。先客はいないらしく、この空間を二人で独占する事に罪悪感を覚えてしまいそうだった。 
14:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:28:42.41 ID:qT/AyJQb0
  
 ヴィーネ「これ!」 
   
  店内に入ってメニューをもらってヴィーネが指し示したのは、パンケーキだった。 
  
15:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:29:29.01 ID:qT/AyJQb0
  
 ガヴリール「パンケーキ、大きめと小さめがあるけれどどっちにする?」 
  
 ヴィーネ「お……小さめで」 
  
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