八幡「想いで」
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25:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:38:48.83 ID:5fkFdj7q0

「…………」

「で、まあ、飛び出して帰っちまったわけだ」

抱かれていた腕を振りほどいて、こんな暗い場所に彼女を置き去りにして。たった一人で、山を駆け下りた。
自分が暗いところにいる人間であることを、否定してくれなかった。わかってくれたと思ったのに、裏切られた。そう思った。暗がりにいる自分を肯定してくれた、彼女のやさしさに気づけずに。

「その後の経過は、まあお前も大体察しがついている通りだ」

人に受け入れられなかった少年は、受け入れられたことに気が付けなかった少年は。腐り歪み、そして、今隣にいるこの少女に出会った。『人ごと、このおかしな世界を変えてみせる』そんなことを言いきった彼女は眩しくて、目が眩んでしまいそうで。その日から、雪ノ下雪乃は、比企谷八幡の憧れだった。

彼女の姿は、あの時の少女とは対照的だった。俺の弱さを肯定してくれた、変わらない自分を肯定してくれた、あの少女とは。だから、余計に思い出すのかもしれない。






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