241: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:21:22.07 ID:pZhPrSd+0
 戦士「これから吾輩は、酷な命令を下す」 
  
 戦士「普段から長駆の訓練は積んでいるが、今日はそれ以上に過酷だ。もし辞退を願う者がいれば、今はっきり申しつけよ」 
  
 誰も挙手しない。 
242: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:23:48.53 ID:pZhPrSd+0
 戦士「そろそろ、頃合いだろう。戦士隊の底力、今こそ見せる時ぞ」 
  
 戦士は兵が密集していない場所から、陣の内側へと潜り込んだ。 
 方陣は半分以下まで小さくなっている。懸命にまとまろうとするも、そこは戦士隊が許さなかった。 
 即座に割り込み、盾隊を分断する。 
243: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:29:09.78 ID:pZhPrSd+0
 戦士と盾士の部隊は合流した後、近くの岩山に拠った。 
 兵士達が各々の時間を楽しむ中、戦士は一人、頂上で火を焚いていた。 
 群青の闇に沈むサマルカンドがよく見える。 
  
 紺碧の街・サマルカンド。数千人のエルフが住む街だ。 
244: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:31:18.39 ID:pZhPrSd+0
 盾士「ご苦労だった、戦士」 
  
 戦士「叔父上」 
  
 隻眼の老将が戦士の隣に腰を下ろした。 
245:名無しNIPPER[sage]
2018/08/12(日) 01:30:44.52 ID:3vsqBSqDO
 乙 
246: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:21:40.72 ID:yYJTY5ji0
 魔剣士「剣士様が消えた、ですって!?」 
  
 王都アルマリクから北西に数里。 
 タシケントとサマルカンドの間にある小都市ジザフの朝は、令嬢剣士の叫び声で幕を開けた。 
  
247: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:42:02.28 ID:yYJTY5ji0
 ドタールの柔らかな音色が聞こえた。 
 ジザフで唯一の妓館。 
 給料が良いので、ここに勤める十代の女性は少なくない。 
  
 魔剣士「所詮は妓館。負の印象が拭えませんわ」 
248: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:54:09.34 ID:yYJTY5ji0
 剣士「え、どうして!? どうして殴るの!」 
  
 魔剣士「わたくしがどれだけ心配したと……兵士の皆様にも迷惑かけて、許せませんわ!」 
  
 馬乗りになって、兵士の頭をポカポカ殴り続ける魔剣士。 
249: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:58:39.45 ID:yYJTY5ji0
 騎士に呼ばれ、剣士は軍営の天幕に戻った。 
  
 剣士「こんにひわ」 
  
 騎士「派手に殴られたな。大きな痣、できているぞ」 
250:名無しNIPPER[sage]
2018/08/19(日) 02:07:02.30 ID:wIiB04+DO
 乙 
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