12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/15(金) 17:57:53.94 ID:q/MTrf4E0
  最後に謝罪。これまで何度も『謝らないで』と繰り返しておきながら、けれどきっと明日起こってしまうのだろう光景を想像して口に出す。 
  
  ごめんなさい。きっとまた明日言うことになるだろう言葉。 
  
  
 「ごめんなさい……?」 
  
 「ふふ。いいえ、なんでもありません。気にしないでください」 
  
  
  視線を下げて首元へ。私のキスを受けて、私の唇へ塗られた紅で汚されたそこを見る。 
  
  汗に濡れて、涎に塗れて、ついさっき拭われたことでどろどろの赤に汚されているそこ。滲んで広がった赤の奥、そこで一つ、滲むことも崩れることもなくはっきりと刻まれた唇の痕を見る。 
  
  ごっこじゃない。本物の私の証。鮮明に刻まれたキスマーク。 
  
  
 「プロデューサー」 
  
 「ん……?」 
  
 「愛してます」 
  
  
  はっきり浮かぶ。事務所の中、たくさんのアイドルやスタッフ達に囲まれて詰め寄られるプロデューサーの姿が。首元へ残る私の証を見咎められて、答えに窮するプロデューサー。あわあわと慌てながら、傍で眺める私へ視線を流し送る光景がはっきりと。 
  
  きっと明日は大変になるんだろうな。もしかしたら関係を暴かれるまで至ってしまうのかな。そのときはどうしようかな。……そんなことをぼんやり思いながら、ぽつりと零す。 
  
  プロデューサーへの告白。自然と溢れて漏れてしまう、どうしようもなく愛おしい私の想い。 
  
  
 「誰よりも好きで何よりも大好きです。きっとずっといつまでも……貴方のことを、愛してます……」 
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