3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/15(金) 17:48:36.59 ID:q/MTrf4E0
 「ホッとしました? ……それともがっかりしました?」 
  
  
  言うと、プロデューサーは無言のまま。 
  
  きっとどちらも感じてくれているのだと思う。アイドルとその担当プロデューサー、そんな今の関係を壊さずにいられること。シンデレラの夢を諦めずにいられること。それにホッと胸を撫で下ろして。けれど私との子供を授かれないこと。私を自分のものにできないこと。それにがっかりと気持ちを落として。 
  
  私のことを好きだから。私を恋しく想って、誰よりも何よりも愛しているから。だから生まれる二つの想いを、きっと抱いてくれているんだと。 
  
  
 「……プロデューサー」 
  
 「止まってますよ。……なでなで、止めないでください」 
  
  
  私がそう告げると、すぐに背中を撫でる手の動きが再開する。優しくて柔らかい、そっと壊れ物を扱うときのような心遣いで撫でられる。 
  
  行為を終えて、二人の中の熱が理性を取り戻せる一線以下まで鎮まったときにお願いしたこと。ハッと我に返ったようになって、今にも土下座をしそうな雰囲気の……きっと私が止めていなければしていたのだろうプロデューサーへ、お願いしたこと。「謝らないでください。謝るのなら……代わりに撫でてください。私のことを抱き締めて、そして、優しくそっと」と望んだこと。それをまた改めて。 
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