1:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:29:58.91 ID:dpfaJ9At0
ケータイとインターフォンを何度鳴らしてみても応答がない。
ならばとハギヨシは家主にもらった合鍵を取り出し中へと入るが、
すぐに住居人の姿は見つからなかった。
リビングを抜け、この部屋の主である咲の書斎へと向かう。
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:30:53.48 ID:dpfaJ9At0
数回ノックしてからドアを開ければ、瞬間強すぎる甘い匂いにくらりとした。
ハギヨシ(全く。本数を減らせと言っているのに……)
ため息を零して顔を上げ、デスクの上のノートパソコンに向かう咲を見つける。
3:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:32:05.58 ID:dpfaJ9At0
咲「あ……、ハギヨシさん?」
振り返り、その人物が顔見知りであることに咲は虚をつかれている。
パソコンと向き合うときにかけているメガネがズレ、大きな瞳が露わになる。
4:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:32:46.10 ID:dpfaJ9At0
ハギヨシ「咲は強盗に入られたら犯人の顔を見ることなく殺されてしまうタイプですね」
その言葉に咲が少しばかりむっとした顔をしたが、
あながち間違っていないと思っているのか反論はない。
5:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:33:35.44 ID:dpfaJ9At0
咲「い、今見直しを……」
ハギヨシ「ほう、ではその見直しはあとどれほどで終わりますか? 締切りはとうに過ぎているのですが」
ハギヨシ「私が出張にいっているからといって気を抜いて気が付いたら締切り前で」
6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:34:20.91 ID:dpfaJ9At0
ハギヨシ「三十分」
咲「は、い?」
ハギヨシ「三十分待ちます。その間に食事を用意しておきますから。何も食べてないんでしょう?」
7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:35:19.67 ID:dpfaJ9At0
咲の仕事部屋でもある書斎ほどではないにしろ、彼女の部屋は全体的に甘い匂いがする。
ブラックデビル・チョコレート。
咲が吸っている煙草の銘柄だ。
8:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:35:56.70 ID:dpfaJ9At0
咲のために用意した食事が出来上がり、テーブルに並べる。
今日のメニューはコンソメスープとレタスをたっぷり使った照り焼きチキンのサンドウィッチだ。
小食の咲にいかに効率よく野菜と肉を食べさせるか、とハギヨシが真剣に考えたものである。
9:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:36:39.49 ID:dpfaJ9At0
ハギヨシ「お疲れ様です、咲先生」
イスに腰掛けたタイミングで、カフェオレの入ったカップを差し出す。
咲「……ありがとうございます」
10:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:38:01.38 ID:dpfaJ9At0
メガネを外すのも忘れているのか、
ムッとした表情のまま咲はサンドウィッチを頬張った。
流石にやりすぎたかとハギヨシは苦笑し、咲の隣へと腰かけ手を伸ばす。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:38:43.29 ID:dpfaJ9At0
ハギヨシ「いえ。私も咲に意地悪しすぎました。すみません」
そう囁いて顔を覗き込めば。
その頬が薄紅色に染まる。
12:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:39:33.34 ID:dpfaJ9At0
ハギヨシが不在なのをいいことに、原稿を後回しにして
ため込んでいた小説を読みまくっていたのが今回の原稿が遅れた原因らしい。
素直に謝った咲にハギヨシは苦笑いし、
13:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:40:12.76 ID:dpfaJ9At0
角度を変え、体位を変え、
何度も何度も交わって。
やがて眠りに落ちた。
14:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:41:16.15 ID:dpfaJ9At0
咲とハギヨシが付き合い始めたのは、咲が高校2年の時。
友人の衣を通じて出会い、互いに惹かれあって、いつの間にか恋人同士になっていた。
そんな二人が付き合い始めたばかりの頃。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/12/16(土) 16:41:34.62 ID:oS0cM9pSO
誰?
16:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:42:28.53 ID:dpfaJ9At0
ハギヨシ「咲の煙草のフレーバーがチョコレートなのは、初めての味が忘れられないから……でしょうか?」
咲「……はい」
恥ずかしそうに頬を染める咲を引き寄せ、ハギヨシは愛する恋人の髪に顔を寄せる。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/12/16(土) 17:01:36.41 ID:SbrjhFvGO
乙
18:名無しNIPPER
2017/12/17(日) 14:57:38.90 ID:yby5ugsH0
おお久しぶりのハギ咲だ
甘くて良かった乙乙
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