【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
25:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:30:31.28 ID:3zYuh2uB0
………………

 まさか泣いてしまうなんて自分でも思っていなかった。

「っ……」

 だらしなく制服の袖口で涙をぬぐいながら、ゆうきはただ走っていた。無心になりたかった。何も考えたくなかった。

 けれど脳裏に浮かぶ。めぐみのこと。めぐみの言葉。自分のこと。だめだめな自分のこと。逃げ出した自分のこと。

 それはもちろん、精一杯やった結果が、めぐみより仕事が遅く、めぐみの仕事を妨げ、自分の足下さえすくうというものなのだから、ひどいといえばひどいだろう。

 邪魔だと言われても仕方ないかもしれない。

 なのに、逃げ出した。書類の山だって倒したままだ。めぐみは今ごろ、ゆうきに呆れながら作業を続けていることだろう。

「……弱虫だ、わたし」

 ゆうきが弱虫だから。ゆうきが弱いから。だからめぐみの言葉が怖くなって、逃げ出した。

 もう中学2年生だというのに、泣き出して、それを見られまいと逃げ出した。

 きっとめぐみには泣いた顔を見られただろう。めぐみは今ごろ笑っているかもしれない。

「わたし、本当にだめだ……なんでこんなに弱いんだろ……――」



「――追いつかれちゃうニコ! 早くするニコ! “弱虫”」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice