喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
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23: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:24:39.91 ID:WtWlSgcZ0


「これなんか、どうだろう?」


 お兄サンは、アタシじゃなくて、目の前のぬいぐるみを見て、そんなことを呟く。それは緑色のたぬきみたいなもので、女の子にあげるには流石にセンスを疑っちゃうようなやつで。アタシは戸惑いを忘れて、声をあげて笑ってしまった。


「なにこれ、ブサイク! こっちの方がいいってー」


 アタシは隣のかわいいクマさんを指差して教えてあげる。お兄サンは渋い顔して、こっちもかわいいのになぁなんて言ってる。楽しそうだったり、真面目なこと言ったり、センスがちょっとズレてたり、本当に変な人だ。考えてみれば、まともなヒトはサンタ帽を被ってスカウトなんてしないしね。


 でも、そんなところがイヤなカンジがしなくて、いいなって思う。このヒトを信じてみたらどうなるんだろうってわくわくする気持ちになる。


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