39: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:41:49.04 ID:WtWlSgcZ0
  
  
  イルミネーションの光の向こうから、真っ白がちらつく。クリスマスをトクベツにする粉雪がまた降ってきていた。 
  
  
 「おぉ、これでちゃんとホワイトクリスマスだな。神様も粋な計らいをするもんだ」 
  
  
  Pサンのコトバに、アタシは伝えたかったモノが、やっとなんて言うべきなのか分かった。 
  
  
 「Pサン……ありがとねー」 
  
 「急に改まって、どうした?」 
  
 「へへー。言いたくなっちゃったー」 
  
 「女の子なんて星の数ほどいるでしょ? でもアタシの事、人込みの中で見つけ出してくれたのは……Pサンだけなんだよっ!」 
  
 「だから、実は結構運命的なんじゃないかなーとか思ってるんだよねっ!」 
  
 「だってアイドルになれるなんて思ってなかったモン!」 
  
  
  Pサンが恥ずかしそうに笑う。それを見て、アタシも笑顔になる。このヒトが信じてくれた何かをちゃんと探してみたいと思ってる、もしかしたら最初の方は面倒臭がったりしちゃうかもだけど。そのたびにきっとPサンがなんとかしてくれる。 
  
  
  クリスマスは、神様の誕生日。それに乗っかっちゃった前の日から続く聖夜のお祭り。 
  
  
 「アタシ、この聖夜にPサンと会えたのは神様からの最高のプレゼントだと思うよっ! 聖なる夜の奇蹟って感じ?」 
  
 「へへっ♪ そう思うでしょ?」 
  
  
  なんてことないフツウの毎日に、トクベツを加える色を見つけたよ。 
  
  それは、きっと鮮やかな黄色、アタシだけの柚の色。 
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