喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
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5: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:00:21.12 ID:WtWlSgcZ0





 目が覚めて、雪だと思った。レースのカーテンからいつもよりも白くて淡い光が差し込んできて、ぼんやりと部屋の中を照らしていたから。それに朝の空気がものすごく冷たい。いやいやと体を起こしてからついた最初の一息は、白くゆらめいてどこかに消えていっちゃった。


 ごそごそと枕元のスマートフォンのアラームを止める。まだ寝ぼけたままの目には、画面に光る12月24日の文字が眩しく見えた。そっか、今日はクリスマスイブだったっけ。じゃあ、ホワイトクリスマスってやつになるのかな、なんて考える。


 ベットの脇のポールハンガーには、帽子やカバンに混じって、大きめの靴下が吊るしてある。それはサンタさんのための目印で、もうしばらく使われてないことをアタシは良く知ってる。それでもなんとなくの習慣で、昨日物置から引っ張り出してきたやつだ。


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