晶葉「できたぞ助手! アイドルがどんな暗示にもかかってしまうスイッチだ!」
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/12/27(水) 11:28:12.01 ID:6dMOfYBX0
ほたる「凄いですね。プロデューサーさんは、いつだって私に勇気をくれる。大切なものを与えてくれる。お仕事も、友達も、衣装だって……本当になんでも出来て……」

P「ほたる……?」

ほたる「そんなプロデューサーさんに、私は何が返せるんでしょうか……? 両手で抱えきれないくらいの幸せを受け取って……でも、私は一握りの幸福すら返せない……! みんなみんな、私なんかよりずっとずっと綺麗で、可愛くて……歌も上手くて、ダンスだって……それに比べて私は……なにも、できなくて」

P「考えすぎだ、ほたる。確かに俺は業界でも屈指の土下座ができるプロデューサーだ。企画、営業、広報、マネジメントから会場の設営に音響と照明も一通りのことはできる。でもこんなに仕事のできる俺でもな、できないことなんてのはいくらでもあるぞ。例えばあの日、公園で泣いてた女の子に、俺は手を差し伸べることしかできなかった」

ほたる「…………?」

P「その女の子は、事務所が何度も倒産して、まともなレッスンも受けられない中、やっとのことでこぎつけた仕事をバラされて、公園で泣いてた。普通ならもうとっくにあきらめてるさ。腐って当たり前だ。でも女の子はあきらめてなかった。差し出された手を取った。なあ、ほたる。あの時ほたるが首を横に振ったら、俺は何もできなかったんだぜ?

 ほたるが何も出来ないなんて嘘だ。あの時、俺の手を取ったのは間違いなくほたるの意思だ。不運に打ちのめされて、それでもなお立ち上がって、一歩を踏み出した。それはほたる自身が持っている強さだで、とても尊いものなんだ」

ほたる「本当に……?」

P「そうなんだよ、ほたる。それに俺が与えたものなんて、ほたるの笑顔に比べたらなんでもないことさ。まあ、こんなことをいってもすぐには信じられないだろうし……だから、そんなほたるにステキな魔法をかけてあげよう。今日はそのつもりでほたるを探していたんだ」

ほたる「ステキな魔法……?」

P「暗示スイッチ〜」

ほたる「えっ、えっ?」

P「大丈夫、ちょっと気分が高揚して素晴らしい全能感と共に心がウキウキするように暗示をかけるだけだから」

ほたる「あの、それ全然だいじょうぶじゃ……」

P「ヘーキヘーキ。ほたるにキレッキレの『Yes! Party Time!!』を歌ってもらいたいだけだから。というわけで覚悟しろぐへへへへ」ポチッ

ほたる「きゃっ!」

P「」

ほたる「………………? あの、プロデューサーさん?」

P「」

ほたる「スイッチの故障……? 晶葉ちゃんに電話しなきゃ……」

晶葉『はいこちら池袋未来ガジェット研究所』

ほたる「かくかくしかじか」

晶葉『やはりそうか。スイッチの電池のプラスとマイナスが逆に……つまり効果対象が逆転していたわけだ。私としたことが、弘法も筆の誤りというやつだな。それで助手はどうしてる? 無反応になっているか?』

ほたる「うん、ピクリとも動かないけど……」

晶葉『ではなにか一つ暗示をかけてやってくれ。その後スイッチを押せば暗示が適用され、元に戻るはずだ』

ほたる「暗示って、どうすれば?」

晶葉『ふむ。ここは行動を置き換えるものがいいだろう。コーヒーを飲む時は利き手を使ってはいけないとか、そういう簡単なものでいい』

ほたる「うん」

晶葉『暗示をかけたら助手にこっちに戻ってくるようにいってくれ。では切るぞ』

ほたる「暗示……簡単なもの? そういえば、プロデューサーさんは私に暗示をかけようとしたんだし、私もすこしくらい、いいよね? えっと、じゃあ……プロデューサーさんは、私が『幸せになりたい』といったら、私を抱きしめること。……これでいいのかな」

P「………………ハッ!? ここは屋上……? そしてほたる? んん? なにやら記憶が……」

ほたる「あの、プロデューサーさん」

P「なんだ、ほたる。というかちょっと待て、顔が赤いぞ。こんな寒いのに屋上にいるからだ。ほら、早く中へ――」

ほたる「私、幸せになりたいです」

P「はあ? まったく何を言ってるんだ。これでいいか?」

ほたる「……ぁ、ぅぅ……///」

P「ほたる? どうした、なんで顔を隠す?」

ほたる「な、なんでもないです。それより、私……もっと幸せになりたいです」

P「変なほたるだなぁ。ほらもっとくっつきなさい。ぎゅってしてやるから」

ほたる「………………えへへ……///」

P「というか屋上なんかにいるから顔が赤いんだぞ? あったかいココア作ってやるから、中に戻ろう」

ほたる「……だいじょうぶです。こうしていれば、寒さなんてへっちゃらですから……♡」




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