結城友奈「東郷美森は鷲尾須美である」-SS速報VIP

結城友奈「東郷美森は鷲尾須美である」

↓ 1- 覧 板 20

13:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:07:55.01 ID:mzeH5qo90

　三ノ輪銀。

14:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:16:52.53 ID:mzeH5qo90
　園ちゃんは、鷲尾須美も東郷美森も好きだと言った。けれど、それは本当だろうか。絶対の自信をもって言えることなのだろうか。自分たちのことを忘れ、お役目のことを忘れ、幸せに暮らしていた彼女のことを。東郷さんの所為じゃない。そんなことはわかっている。記憶のことで東郷さんを責める人がいるなら、私が第一に許さない。

　でも感情はそう簡単に切り離せるものじゃない。東郷さんがどうしようもない恐怖と悲しみに押し潰されそうであったように。ひょうひょうとしているように見える園ちゃんも、割り切れない何かを抱えているんじゃないか。

　そんなことを、思ってしまう。

以下略 AAS

15:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:19:09.96 ID:mzeH5qo90
園子「ミノさんを失ってすぐ、わっしーはああなってしまって、でも満開する以外に方法はなくて」

園子「この二年間、自分一人ではただ生きていくことすらもままならなかった。まあ、死ぬことも出来なかったんだけどね」

　自嘲気味に笑う。

以下略 AAS

16:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:26:58.46 ID:mzeH5qo90
　今の東郷美森にとっての一番が結城友奈であることは、間違いない。その自信は揺らがない。けれど、それはいつまで続くのだろうか。

　私がすんなりと彼女の一番になれたのは、記憶を失っていたからだ。身体に不自由を抱えていたからだ。素直に、あるいは冷静に受け止められる。

　そこは切掛に過ぎない。結果として東郷さんは、私のことを好きになってくれたんだから。

以下略 AAS

17:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:33:41.63 ID:mzeH5qo90
友奈「…………」

　目の前の少女を見る。彼女が選ばれたら、私はどんな感情を向けてしまうのだろう。

　嫉妬、憎悪、厭忌、怨嗟――そんな言葉が浮かぶ。園ちゃんのことは好きだ。好ましい人だと思う。憎めない人だと思う。でも、園ちゃんは？

以下略 AAS

18:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:40:49.84 ID:mzeH5qo90
友奈「本当に……？」

　私はこんなにも穿った目で貴方を見ているのに、などと思ってしまう。

園子「本当だよ」

以下略 AAS

19:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:43:18.79 ID:mzeH5qo90
友奈「私ね、園ちゃんに嫉妬してた」

　そう思ったら、口から本音が出ていた。

友奈「私の知らない東郷さんのことを知っている、私のとは違う絆のある園ちゃんが羨ましかった」

以下略 AAS

20:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:49:09.43 ID:mzeH5qo90
東郷「友奈ちゃん！！」

　え、

東郷「不安にさせてごめんなさい」

以下略 AAS

21:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:51:48.80 ID:mzeH5qo90

　落ち着くまでには、暫く時間がかかった。

以下略 AAS

22:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:56:14.62 ID:mzeH5qo90
友奈「改めて、言うね」

東郷「うん」

友奈「私、」

以下略 AAS

23:名無しNIPPER[saga]
2017/12/29(金) 23:59:03.31 ID:mzeH5qo90
東郷「…………」

友奈「…………」

　お互いにお互いを見つめる。言葉は尽きないけれど、今はそれよりも大事なことがある気がした。

以下略 AAS

29Res/19.70 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ