ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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4:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:24:24.33 ID:cO+HlQy0o

「あっれー!? ボクってこんなに髪の毛長かったですか!?」

「え、幸子ちゃん、もうずっと長く伸ばしてるよね?」

「イヤイヤ、ボクはもっとこう、キュートでカワイイ、横は長いのに後ろは短いという複雑で表現しづらい髪型をしていたはずですけど!?」

「じ、自分の髪型に大して凄く絶妙な評価をしているんだね、幸子ちゃん……」

 いや、もちろんボクだってロングに憧れを抱いていないわけではありません。女の子は誰だって、一度は長い髪の毛に憧れるものですから、カワイイボクだってその例外ではありません。
 だから、将来的にボクが大きくなれば、伸ばしてみるのも悪くない──カワイイだけでない、大人のボクを見せないといけないときが来たら、そのときは、なんてくらいには考えていました。
 けど、今はまだそのときではないですし、というか一夜でこれだけ伸びると恐いですよ! 完全に小梅さん案件です!

 よくよく見ると、なんだか美穂さんも少し髪の毛が長いような……ようなというか、昨日までは肩までなかった後ろ髪が、今は毛先が肩にかかるほどまで伸びています。え、なんですかそれ。
 恐ろしい、一夜にしてこれほどに髪が伸びる事例がまさか二件もあるなんて。
 小梅さんにはよく言い聞かせておかないといけませんね、髪の毛を伸ばすのは人形だけにしておいてくださいと──いや、それはそれで怖いですけどね!

「なんだかおかしな幸子ちゃん」

 戸惑うボクに美穂さんが呟く。その言い方が、どこか楽しそうだった。
 楽しそうな美穂さんの反応とは逆に、ボクは彼女のその反応で余計に不安を覚えました──かなり高い確率で、最悪過ぎる想定が浮かんでしまっていたので。



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