道明寺歌鈴「楽しいを聚めて」
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5: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2018/01/04(木) 22:53:14.75 ID:FQ763ukmo

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 仮眠から目が覚めました。はだけてしまった巫女服を直してから見渡したお正月の空は青く高く澄んでいます。拝殿の方からは喧騒と鈴の音が聞こえてきました。大晦日からお手伝いにと駆り出されてクタクタだったので、少し落ち着いたからと休ませてもらっていましたが、眠っている間にまた忙しくなったようです。ふと視線を向けた机の上にはおにぎりが置いてありました。起こさないでくれたんだ、と思いながら「いただきます」と手を合わせて手早く食べました。まだまだこれから忙しくなるというのにあんまり悠長にしているわけにはいきません。これでも私だって頼りにされていますから。

 でも、特別な誕生日なのにな、なんて考えが過ぎりました。幼い頃は両親もお仕事が忙しくて一人でお留守番をしていて、お誕生日を祝ってもらうのは三が日が終わったらから。その頃はとっても寂しくて我が儘を言うこともありました。そうしたら両親は困った顔をして私に言い聞かせるように謝りながら頭を撫でられました。その手のひらの感触とどうにも例えがたい気持ちはずっと心の中にしこりのように残っています。



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