六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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5: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:47:05.32 ID:6rZ5mY140
目をそらした丹生谷は、うまく表現できたのか素敵な笑みを見せる。その笑顔が天使だった。なんだ勘違いか俺の悪い思い込みだったんだ。こんな大事な人を憎んでたなんて。俺にちょっかいかけるのも本当は身に関わっていることだった。嫌われてもいいから他人を助けたいってすごい人だと今気づいた。同時に俺は小さくなった。謝らねばな。俺が謝罪と感謝の意を込めてありがとう雑誌大事にするし今度デートするから期待しててほしいと頭を下げると、丹生谷は言葉を詰まらせ口を一回急にふさいでどういたしましてと好感のある礼儀をしてきた。顔は赤く火照っていた。その顔が裏を隠してお尻まで隠しきれてないような正直なものなんだなと俺でも分かり可愛いらしい。でも、だから気を付けてほしいという意味で忠告してみたいことがある。
勇太「お前気品上手に見えてひもとか無職とかダメ男好きそう」
はっ?と壊れた顔で、な、なな、な、、、なんですってー!と猿のように興奮すると段ボールや雑誌を俺の顔に投げつけてきた!痛い痛い血が出る!お前遠慮をしらないのか!どうして人は真実を告げただけですぐに発狂するんだ!?事実だっ痛い!ダメだ逃げねば殺されるう!と感じ段ボール1箱を抱えて丹生谷の部屋から一目散に、外まで逃げた。
モリサマー教徒布教用の本一式を抱え、安堵のため息をつき気が付くと空は夜になっていた。はあ、もう人はこりごりだよ。
あーあ日曜日をこんなゴミに費やすんじゃなかったと後悔しただいま、と家の扉を開けるとだーくふれいむますたーおかえりーとよちよち歩きのかわいい夢葉が来て合法的に抱き着いてくるので家族っていいなと感動する。あ、断じてロリコンじゃないぞ!あんなのと一緒にするな!
樟葉の作った料理がすでに置かれており、美味しかったと樟葉に伝えて、さあ勝負だ。
机に座った俺は、世界で、いや宇宙で一番かっこいい告白デートと告白内容を考える。一生に一度しかできないぞよく考えろ俺。段ボールから出した本の文下に色インクを塗り付箋を貼る。本やネットで彼女と飽きないデートテクニックものにふむふむと頷き箇条書きにした。人生かかる人って集中力すごいな、これが俺の限界を超えた力かと理解するほど汗を流して集中している。告白文も紙にかいてはくちゃくちゃにしてこれの繰り返し。そしてやっぱり重要なのがデートコースで、船だとか山の山頂のきれいな景色を見せるだとかプレゼントは宝石がいいかとか、滋賀県から出て大阪とか兵庫に行けば六花も喜ぶんじゃないかって、頭の中でゆうた―!きゃ!大好き!♡!の展開を思いついてはニヤニヤしている。こんな自分他人に見せるなどルイ16世並みのギロチンで死んでやる!ほっぺを叩いて真剣に取り組んで、でも告白と言えば「闇の炎に抱かれし者よダークフレイムマスターと恋人の契約を結べ!」ああああああああ恥ずかしい!!!!!頭が痛い。どうしてあんなことを言ったんだ!ああいかんこうしてはいられん時間時間。過去の現実を振り払う。
翌朝に、来週の日曜デートするよ六花と伝えて喜ぶアホ毛を見た後、毎日学校から帰宅するやいなや自室にこもって計画を立てては消しゴムを大量に消費し、愛用の自転車で経路などグーグルを調べてなんとなく曖昧にたどり着くぐらいでいいだろうと来て調査する。お昼に自転車をキコキコさせて近場の場所に行きつつ、でも学校帰りで早く家に帰ってまだ開封してないゲームしたいと思い、遠くから眺めるだけで満足したところもある。手に持った3000円はすぐに消失した。仕方ない、赤字覚悟で行くか。新作ゲームよさようなら。また半年後までさようなら。人生かかってるんだ。丹生谷の件もな。複数記述したデートコースを見てこれだけ弾丸があるなら六花も喜ぶと思った。だけれども、本番デート前夜それでも記述中に不安がよぎり鉛筆を置く。そして認めたくないという思いが噴出して頭を抱える。当日あれしてこれしてこうして、でも俺にできるはずがないんだよー!デートや告白に失敗したら終わりだよな?でもやっちゃうかもしれないよな。第一喜んでくれないかもしれない。それが一番気にかかるな。世の中そんなにうまくいくはずないもんね。奇跡なんて軽々しく起こせるはずがない。宇宙一の告白なんてないよ。ない…….ない……な……。

ああ、これで俺の青春は完結するんだなと思う。もう新しさを生むことも、広がることもないんだと。
その神経がいけなかったのかもしれない。
世界は亀裂を見せ始める。

誰も私を理解してくれない。勇太なら、わかってくれると思ってたのに


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