【ガルパン】お姉ちゃんスイッチ
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1:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:27:59.48 ID:yFLsf5WwO

*最終章準拠です

*小説スタイルです

*短いです

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2:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:28:46.02 ID:yFLsf5WwO

 100メートルほど前方に隊長の背中を見つけた。ヨダレが垂れる。垂らしたままで、即座に駆けだした。かまわない。どうせ声をかける頃までにはシラフに戻ってる。

「たいちょう」

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:29:26.25 ID:yFLsf5WwO

 右へ左へとヨダレをまき散らしつつ皆の間を走り縫う。生徒たちはめいめいおしゃべりに夢中なので別段こちらを気にしない。お互い様だ。自分の視線の先も隊長の背中にだけ照準を向けている。あれは隊長の背中だ。間違いない。髪型とか歩き方とかそういうがやっぱり隊長だ。
 隊長は一人でいる。邪魔者はいない。おしゃべりをする絶好のチャンス。心のままにかけていく。

「ハッ、ハッ、ハッ、……ふ」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:30:18.28 ID:yFLsf5WwO

 とうとうふくらはぎに不満足のまま声の届く距離にまで近づいた。やっぱりもったいなかった。

「隊長、どうも」

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:30:53.31 ID:yFLsf5WwO

「応援しています」
「ありがとう」
「私も日本でもっともっと頑張ります」
「私もドイツから貴方を応援してる」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:31:27.46 ID:yFLsf5WwO

「準備のほうは順調ですか? 手が必要ならいつでも声をかけてください」
「ありがとう、大丈夫だよ。……あぁ、ところで、エリカ」
「はい?」
「準備といえばねエリカ、実は、向こうの文化を理解しておこうと思って」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:33:10.04 ID:yFLsf5WwO

「勉強熱心ですね。さすがです」
「本で読んだところによると、向こうの人達は『公の場』と『私の場』とで人間関係をきちんと使い分けるそうだ」
「? というと?」
「例えばね、エリカは学校の外でも私を『隊長』と無条件に呼んでくれる。だが、ドイツの人たちではそうではないそうだ」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:33:39.76 ID:yFLsf5WwO

「でも私にとってはやっぱり隊長は隊長です」
「まぁ、日本人だものね。私も貴方も」
「そうですよ」

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:34:09.99 ID:yFLsf5WwO
 
 心のどこかが反射的に力む。我ながらバカバカしい。今だに一体なんなのだろう。けれど、心の奥底でいろんな気持ちがパッケージ化されてしまっている。箱詰めされたそれらの感情を他人事のように遠くから冷ややかに見つめるまでが、パッケージ化。なのでまぁ、いろいろ思うところはあってもとりあえず表面ッツラは何も変化しないのだった。

「みほが、どうかしました?」


10:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:35:06.74 ID:yFLsf5WwO

「うん。私が学校から熊本の実家に帰るとね、いつもみほが、私のスイッチを回してくれるんだ」
「隊長のスイッチ?」
「そう」

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:36:21.55 ID:yFLsf5WwO

「つまり、家にいる間は、私にお姉ちゃんでいてほしかったそうだよ」
「……」

 どうという感想もなかった。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 21:36:52.84 ID:yFLsf5WwO
ちょっとお客さんが


13:名無しNIPPER[sage]
2018/01/08(月) 14:58:44.86 ID:mCn0tAfX0
はやく


14:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:17:28.94 ID:2JCfL+jf0
「あの子らしいですね」
「うん。だけどみほはもういない。だからもう随分とスイッチはオフのままだよ」
「そうですか」
「スイッチはね、このあたりにある」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:18:17.63 ID:2JCfL+jf0

「え、あ」

 少し、遅れて、ようやく気づく。隊長はおどけている。こういう時、後輩は先輩のおふざけに付き合うのが礼儀だ。まして隊長は、誰もかれもにふざけたりはしないのだから。
 
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:19:11.44 ID:2JCfL+jf0

 間違えただろうか、と心配になる。でもそうではなかった。
 
「ダイヤル式だ」
「……あぁ、すみません」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:19:45.06 ID:2JCfL+jf0

「え、えぇ?」

 さすがに、たじろぐ。もっと激しくしろという事なのだろうか。いいのだおるか。
 だけど隊長の声はあくまでも楽しそう。ということは、力を込めても失礼にはあたらない。むしろこのまま何もしないほうが失礼なのかもしれない。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:20:20.07 ID:2JCfL+jf0

「ん……」

 と隊長がかすかに喉を慣らす。その艶やかな音に手ごたえを感じた。
 
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:21:11.22 ID:2JCfL+jf0

『ぽ へ』といのは少し遠いかもしれない。『に へ』というか『ふにゃぁ』というか、とにかく、これまでに見せたことのない類のだらしない笑い方だった。
 まるで、そうだ……みほ?

「……っ」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:21:47.61 ID:2JCfL+jf0

「ドイツから帰ったら、また一緒に戦車道をしよう」
「あ、はい、もちろん……よろしくお願いします」

 ウン、と隊長は満足気に微笑み、じゃあ、と軽やか手を降って、再び歩き始めた。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2018/01/08(月) 20:22:43.78 ID:2JCfL+jf0

 ————————。


 隊長がドイツに出発する日。
以下略 AAS



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