関裕美「0点の笑顔をあなたに」
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52: ◆5AkoLefT7E[saga]
2018/01/13(土) 00:15:48.67 ID:TDi1TcfI0

「ありがとうございました」

言いたいことは全部、伝えたいことは全部、言葉にできたと思う。
頭を軽く下げて、右足を後ろに、左足を後ろに。
"姿勢を変えれば世界が変わる"だっけ?
正直に言っちゃうと、あの時は半信半疑だったんだ。でも、今ならよくわかるよ。
そのまま、舞台を降りて。真っすぐにプロデューサーさんを目指して。
途中、すれ違うみんなが笑いかけてくれる。この顔だって、俯いていたら見えなかったんだよね。

プロデューサーさんは、いつもと変わらない。少しの、でも、私にとってはおっきな笑顔で迎えてくれた。
でも、いつもと違うところが1つだけあって。

「……目、赤いよ?」

「……」

プロデューサーさんは何も言わない。
そのまま、私に向かって、一歩、二歩と、近づいて。
気が付くと、大きく開いたその両手が、私の後ろにあった。

プロデューサーさんは、暖かい。




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