17:名無しNIPPER[saga]
2018/02/13(火) 00:03:38.69 ID:TjXjaiKg0
提督「21グラム」
提督「これは俗に魂の重さということであります」
提督「なんでも人が亡くなった瞬間に21グラム体重が軽くなるという話」
提督「なんともロマンがある話ではございますが、なかなかに眉唾物。しかしこれを聞いたのは少年時代。すっかり信じ込んじまったはいいが、すぐにある疑問が浮かんできた」
提督「魂に重さがあるのはいいが、そうだとしたら浮き上がれねえ。なにせ天国は空の上。報われねえってことにならないかい? いやいや、そうなりゃまだましか。下手すりゃ誰もが地の下の。地獄に落ちちまうことにならねえか?」
提督「こいつは困ったどうしよう。幼心に戸惑って、考え抜いてはみたものの、結局答えは出ずじまい。怖くなってわんわん泣いたものでございます」
提督「あれから十数年たちまして、遠き昔の軍艦の魂持ってる艦娘に出会いましては、ようやっと答えを見つけ出しやした」
提督「きっとその魂の重さこそ、そのものの業の重さなのではないのかと」
提督「で、あるならば、海底に沈んだ艦の魂がいまこうしてここに在る。それはきっと浮かばれたということでありましょう」
提督「……」
提督「とまあ最後はきれいな話で締めまして」
提督「それでは、おあとがよろしいようで」
終わり
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