48:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:57:15.35 ID:XJms5aKo0
  
  変化が起きかけたのは佑希の言う通り俺の高校受験だろう。 
  思い返してみれば、志望校を決めてからの期間、彼女とそれほど会話をしていなかった。 
  
  きっと彼女の目には、"俺が自分の意思で頑張っている"と映ったのだろう。 
  それで、もしかしたら長い間囚われていた呪縛から解かれるかもしれない、とそんな期待を抱かせてしまったのかもしれない。 
  
  結果、俺は変わらなかった。 
  俺のゴールは、あくまでも受験に合格することだったから。 
  奈雨と一緒の学校に入ることが何よりの原動力であって、それからについては何も考えていなかったから。 
  
  ソラに言われたことを思い出す。 
  あいつは春からの俺の状態を『魂が抜けてるみたいだ』と言っていた。 
  
  佑希もそう感じて、どうにか変わってほしいと、焚きつけようとした。 
  
  けれどそれも、彼女からしたら表立って言えることではなくて、 
  気付いてもらえるまで待つか、いっそのこと嫌われてしまうか、どっちつかずの行動しか取れずにいたんだ。 
  
  
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