1: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:05:23.84 ID:TeEy90Go0
モバマスSSです 
 輿水幸子がラーメンを食べるだけです。 
 某今期アニメ要素は殆どありません。
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2: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:06:34.65 ID:TeEy90Go0
 「幸子ォ! 北海道行くぞォ!」 
  
 「は?」 
3: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:08:29.80 ID:TeEy90Go0
 「──で、流されるままここまで来たわけですけども」 
  
 「流石北海道、超寒いわ」 
  
  東京からおよそ3時間。北海道は旭川へと降り立った幸子とプロデューサーの二人は、摂氏2度の冬空から逃げるように駅前のホテルに引きこもっていた。 
4: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:09:29.20 ID:TeEy90Go0
 「っし、行くか」 
  
 「ちょ、ちょっと待ってください! さっきまで寒い寒い言っておきながらなんで外に出ようとしてるんですか!」 
  
 「だって、わざわざ旭川まで来たんだから食わなきゃ損でしょ。旭川ラーメン」 
5: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:10:07.08 ID:TeEy90Go0
  そう言って飛び出したプロデューサーを追いかけ歩くこと数十秒。横断歩道を渡ってすぐの所にラーメン屋の看板が大きく掲げられていた。その名前は、幸子も何度か目にしたことがある。 
  
 「ここだ」 
  
 「案外近いんですね……」 
6: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:10:49.94 ID:TeEy90Go0
  店員に促され、二重扉のすぐ奥にあるベンチへ腰掛ける二人。だがそれも束の間、運良く空いたカウンターへと案内された。 
  
 「こちらメニューです」 
  
 「あっ、ありがとうございます。俺はもう決まってるんだけど、幸子はどうする?」 
7: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:11:29.00 ID:TeEy90Go0
 「えっと、塩2つお願いします。一つは学割で」 
  
 「かしこまりました。塩と学割の塩ですね、少々お待ちください」 
  
  軽く店内を見回してみる。あまり席数の多くない店内は見事に満席で、どう考えても混雑状態だった。 
8: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:12:14.13 ID:TeEy90Go0
  結局15分程待ってようやくラーメンが着丼。ラーメンの丼にしては珍しい綺麗なお椀型の分厚い丼の中を覗くと、白湯と書いてバイタンと呼ばれるスープの中央に真っ赤な小梅が乗っていた。 
  
 「そんじゃ、いただきます」 
  
 「いただきます」 
9: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:13:05.90 ID:TeEy90Go0
 「ふー、ふー。ズズッ、ズズルッ…………。あれ、さっきまでと違うような……?」 
  
 「そうだな。麺がスープを吸ってモチモチになってる」 
  
  なるほど、と幸子は勝手に納得する。弾力があり程よくスープの味が染みた麺は、最初とはまた違った味わいを見せていた。麺が三分の一減ったあたりで箸休め代わりにメンマを食べてみる。 
10: ◆MARxuRxDxo[saga]
2018/02/12(月) 15:13:52.17 ID:TeEy90Go0
  そうして丼の中身が半分ほど減った辺りで、いつの間にか白濁したスープの中に隠れた小梅を発見した。口直しとばかりに口に入れると、梅干しの酸味のおかげかなんだか口の中がさっぱりしたような気がする。 
  
 (口直しにはいいんですけど、これを“小梅”と呼ぶには抵抗がありますね……カリカリ梅?) 
  
  そんなことを考えながら、残り半分に手をつける。あまり味もキツ過ぎないお陰で、普段は少食の幸子でも気づけば丼の中は殆ど空になっていた。 
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