38:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:15:45.76 ID:PoruoH2d0
「いくよ!」
かばんちゃんが勢いよく放ったかみひこーきは、タイミング良く吹いた風に乗って、どんどん加速しながら飛んでいく。
「サーバルちゃんもやってみて」
かばんちゃんに続いて、私もかみひこーきを空へ飛ばした。
私のは上を向きすぎてかばんちゃんのように長く飛ばず、しかも左にぐらっと傾いてすぐに湖のほとりに落ちてしまった。
一方で、かばんちゃんのかみひこーきはぐんぐん進み、少しずつ高度を下げながら、やがて湖の真ん中で着地した。
「すごい、あんなに遠くまで……」
「サーバルちゃんも、もっと綺麗に投げたら遠くに飛ばせるはずだよ」
「ほんと?」
「うん。投げる時はこうやって……」
こうして、私たちはお互いに、かみひこーきを湖の向こうを目指して飛ばしあった。
ビーバーとプレーリードッグも私たちに付き添ってくれた。
「うーん……この向きからこうやって投げれば上手く飛ぶっスかねえ……」
「とにかく投げるであります! 数撃ちゃ当たるってやつであります!」
どんなに投げても、一番長く飛ぶのは、やっぱりかばんちゃんのかみひこーきだった。一度かばんちゃんの手もとから解き放たれば、綺麗な放物線を描きながらどこまでも進んでいく。
まっすぐ進むその姿が見えなくなるまで、私はずっと見つめていた。
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