未来を置き去りにしてバイトをする
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144:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 09:37:27.28 ID:2Z/zGywUO
男仁さんが戻ってきたとき、一瞬僕はどういう顔をすればいいのか判らなかった。

僕が騙されたという形にはなったが、実害があったわけではなく、気分を悪いものにしたのは主にスピーカーの向こうの相手である。

それゆえにひどく罰の悪い顔で、出迎えたわけだが彼はそれを気にしている余裕は無さそうだった。

何かに気を取られている、いやとりつかれているとさえ言える表情で彼は戻ってきた。

交渉相手とよほどのことがあったのだろうかと勘繰ったが斎場の件を考慮すると、その可能性も薄い。

男仁さんは中身を運ぶ役目を終えて軽くなったスーツケースを二つ僕に手渡して、その場を後にした。

慌てて僕はその背中を追いかけた。

いつの間にか、鉛のような曇り空が僕たちの頭上を覆っていた。雨がそろそろ降りだしそうだ。

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自由安価直下



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