ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ
1- 20
21:魔界岸
2018/03/11(日) 02:30:27.66 ID:Y8ZCGh7yO
「今日のガイドを務めさせていだだく鳥羽甲平です よろしくお願いします」

それにしてもアメリカにいて敬語をあまり使ってこなかったのもあってかなりやりづらい。
そもそも日本にいた時から敬語をあまり使ってこなかったのもあるが……。

「じゃあ早速案内しますので私についてきてください」

まずエレベーターのボタンを押し、見学者を先に入らせる。
接客は色々と気を使うし言葉も敬語使わないといけないし大変だ……きっと自分が接客の仕事に就いていたら上手くいってないだろう。
この仕事に就けて本当に良かったと甲平はつくづく思う。

「そういえば鳥羽さんって鳥羽ゆい先生のお兄さんですか?」

どうその話を切り出そうか迷っていたら助かった。

「そうです 茂君はとっても良い子だと話は聞いてますよ」

「そ、そんなことないです!……」

照れながら頭を掻く仕草が初々しくてまたかわいい。
自分にもそんな時期があったなぁ……と懐かしくも感じる。

「それはそうと先生から聞いたんですけど鳥羽さんはビーファイターなんですよね? 」

「それはまぁ……昔の事ですから……」

ゆいの奴、そんなことまで喋っていたのか……。
それにしてもビーファイターと言う単語を聞いただけで、今でも昨日のことのように鮮明に思い出す……仲間と共にメルザードと戦った日々を……。
でもあれから既に五年の時が過ぎようとしているのだ。
周囲の人からしたら五年前なんてかなり前の話しになる。

「俺、昔から地球が侵略されそうになるのを何度も見てきました 直接戦う力はなくても将来は戦う人たちのサポートをしたいんです」

「じゃあコスモアカデミアで茂君と働けるの待ってます」

しっかりした子だと感心する……何故なら甲平が高校生の頃、ビーファイターとなる前に地球を自分が守るなんて、それ以前に人外と戦う人たちをサポートしようだなんてこれっぽっちも思った事はなかったからだ。
こういう子たちの想いがあるからこそ、地球は悪の手から守られてたのかもしれない……。
そんなことを考えたりしていると、いつのまにやら見学コーナーの時間が終了をむかえていた。

「以上になります ありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました!! ゆい先生にもよろしくお伝えください」

ガイドは今までやったことがなく、面倒だと思っていたが案外楽しいものだ。
部署に戻ると今日の業務報告を書き、仕事を終えたのが午後六時。
この後はパーティーの時間だ。
トニーには一緒に直行しないかと誘われたが、荷物を置いてたいというのもあった為、一度自宅に戻ることにした。
荷物だけ、部屋に置くと鍵を締め、外出する。
トニーの家は甲平のアパートから自転車で約十五分かからないくらいの住宅街の一角にあり、比較的近い。
おそらく今回は酒も少なからず入るだろうし、徒歩で向かうことを決めると、まず甲平はクレアへの妊娠と誕生日を兼ねた祝いの品を買おうと近くにあるベビーグッズ専門店を訪ね、何を買おうかと悩んでいたところ、トニーからの着信が入る。

「何だよ? 今、行くからもうちょっと待ってろよ」

「甲平! 助けてくれ! こ、殺される!……」

「どうしたんだよ!?」

「ば、化け物が!……」

しかし電話はそこで途切れた。
トニーは大柄でボクシング経験者でそこら辺にいるようなチンピラなんかよりは断然強い
だが今の怖がりようは尋常ではなかった。
電話越しに恐怖が伝わってきて、何か見たことのない恐ろしいものを見てしまったかのようであったため、甲平はトニーに何かあったのではないかととてつもなく心配になってくる。
店を飛び出ると嫌な生温い風を振り切り、甲平はトニーの家へと走った……。
無事でいてくれ……それだけを甲平は必死に祈る。
だが……その必死の思いは虚しく消え去り、甲平は目の前で起こっている出来事を受け入れられず、我が目を疑った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
122Res/158.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice