50:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:10:51.13 ID:EAF0Yir90
  
  
 「先ほど僕たちが和江さんを発見した時、彼女は手首を切り自殺を図ろうとしていました。」 
  
  
 「自殺って…何で…?」 
  
  
 山村和江が自殺を図ろうとしたことを聞きカイトは驚いた。 
  
 何故彼女は自殺を図ろうとしたのか? 
  
 まさか自分たちが訪れたのがその原因? 
  
 思わずそんなことを勘繰ってしまったがその理由はこの家にあった。 
  
  
 「正直…もう私疲れたんです…この家…呪われているから…」  
  
  
 「呪われている…どういうことですか?」 
  
  
 「この部屋は昔志津子さんの部屋でした。」 
  
  
 カイトが居るこの鏡が割れた部屋。 
  
 かつてこの部屋は志津子が使っていた部屋だという。 
  
 それから和江はこの部屋に立ち入ると右京たちにある古ぼけた一枚の写真を見せた。 
  
 その写真には女性が写っていた。和服姿の長い黒髪の女。 
  
  
 「マジかよ…」 
  
  
 写真を見て思わずそんなことを呟くカイト。 
  
 何故ならその女性は先ほどカイトが鏡の中から覗き見た女だったからだ。 
  
  
 「この写真の女性が山村志津子さんですね。」  
  
  
 「私は元々この家に嫁として入ったので 
 志津子さんどころか貞子さんのことも知らなかったんですけど…  
 15年前の事でした。 
 あなた方みたく貞子さんや志津子さんについて二人組の男女が訪ねてきたわ。」 
  
  
 今の話を聞き右京はその二人とは恐らく浅川玲子と高山竜二のことだと察した。 
  
 どうやら浅川たちも貞子のことやそれにここが貞子の出生地だということを調べたらしい。 
  
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