134: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 02:58:26.19 ID:Q/ZSCgdu0
――二曲目は、新曲でいく。
二人は舞台上で二曲歌う。どちらも既存曲の予定だったが、演出の変更に応じてサプライズで新曲を披露することになった。
実際ここらへんの取り次ぎが一番大変だった。
懇意にして頂いてる作曲家さんに頼み込み、作詞は志希とフレデリカ自ら行った。
で、なんとか両方が仕上がった後で――
「曲名どうする?」
聞けば二人して「あ」という顔をした。考えてないんかい。
さあここからは緊急会議だ。せっかく出来上がった曲が無題なんて笑い話にもならない。
ああでもないこうでもない、あちらを立てばこちらが立たず、ところでキノコとタケノコどっちが好き?
……と俺とフレデリカが激論を戦わせる中、一人涼しい顔の志希がふと提案する。
「『アストロノート・スノウマン』なんてどう?」
スノウマン……雪だるま。の、アストロート、宇宙飛行士?
イメージは合っている。これは冬のような冷たさと静寂を打ち砕き、前へと進まんとするキメキメのロックナンバーだ。
とはいえ志希のチョイスは意外といえば意外で、それが顔に出ていたのか、彼女はいつも通り飄々と笑った。
「雪だるまだって飛びたいのだ。にゃはは」
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