3: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:18:58.07 ID:bU2BHSY40
今でも、度の強い眼鏡をはずして笑うPさんの顔がはっきりと思い出せます。
少し眉が寄ったような、どこか困ったような笑顔がなんだか自分に似ているような気がして、私はひそかにPさんの事を『お兄さんみたいだ』と思っていました。
短い間だったけど一緒に夢について語り合った、アイドルを目指す女の子達。
彼女たちが大好きでした。
ダンスや歌や、スタミナや―――
みんなどこかに弱さを抱えていたりしたけれど、それでもみんな夢に向って真っ直ぐで。
みんなと夢を目指す日々が、ずっと続けばいいと思っていました。
ああ、だけど、だけど。
私はあのころ、みんなといると胸に刺さった棘がずきんと痛むのを、感じずにいられませんでした。
胸の棘。
私の、かくしごと。
私は、白菊ほたるは、事務所の人たちに自分の『不幸』を隠していたのです。
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