61:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:27:42.72 ID:pV04h44/0
 火憐は怪異の存在は知らない。けれどそんな言い方をすると言うのは、それは恐らく、自身の経験と重ね合わせているのだろう。 
 貝木泥舟によって、蜂の毒を移された時の経験と。 
  
 阿良々木「解った、取り敢えず何とか時間作って帰ってみるよ」 
  
62:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:29:18.03 ID:pV04h44/0
 阿良々木「で、忍。さっきの話、どう思う?」 
  
 忍野「まぁ、実際に見てみん事には解らんが、お前様の小さい方の妹御が寝込むほどの病魔となると、普通ではなかろうな」 
  
 阿良々木「やっぱりそうだよな…。でも、取り敢えず全快したりしていないから、死ぬ危険はないんだよな?」 
63:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:30:00.59 ID:pV04h44/0
 阿良々木「なら一先ず安心だな…。大事をとって明日朝くらいに出るか」 
  
 忍野「じゃがそう安心し切られても困る。もし仮に何らかの怪異じゃったとして、しでの鳥の回復力を上回る何かを仕掛けていた場合、回復しては削られの生き地獄を繰り返しておる事になるぞ」 
  
 阿良々木「そんな事があるのか…?」 
64:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:30:45.78 ID:pV04h44/0
 忍の忠告もあって、僕はすぐに家を出る事にした。 
 彼女が僕以外の人間を、例え僕の家族だったとしても、心配するのは珍しい。 
 いや、心配はしていないのかも知れないが、それでも忠告をしてくれる事自体異例なのだ。 
 それ故に、嫌な予感がしてしまう。 
 急いで実家に駆けつけると、僕は家の中に入れなかった。 
65:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:31:48.97 ID:pV04h44/0
 問題は、鍵が変えられており、その事を長男である僕は今初めて知ったという事だ。 
  
 忍野「かかっ。お前様、もう家族として数えられておらんのではないか?」 
  
 阿良々木「いや、いや!冗談なのは解るけど!このタイミングでそんな事を言われると泣きそうだからやめて!」 
66:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:32:59.28 ID:pV04h44/0
 火憐「あと兄ちゃんの部屋ら辺で床に彫刻刀ぶっ刺したり、下駄履いて大暴れしたらしい」 
  
 阿良々木「本当に何やってんだアイツ!」 
  
 火憐「その上千石ちゃんに罪をなすりつけようと嘘まで吐くから、取り敢えず殴っといた」 
67:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:34:08.91 ID:pV04h44/0
 火憐「それで、月火ちゃんの事なんだけどさ……」 
  
 阿良々木「いや、待って待って。今の流れでシリアスに行かれても頭が追いつかないぞ!」 
  
 火憐「は?いいから聞けよ。頭に彫刻刀ぶっ刺すぞ」 
68:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:35:29.03 ID:pV04h44/0
 阿良々木「いやいや、いくら妹のおっぱいとは言え昏睡している時に触るほど僕も無粋じゃない。意識がなければ反応が楽しめないじゃないか」 
  
 火憐「誰がおっぱいを触れなんて言ったんだよ…。普通におデコで熱を測るみたいにしてみろって意味だっつーの」 
  
 妹に下ネタを振った挙句冷静に突っ込まれてしまった。 
69:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:36:27.27 ID:pV04h44/0
 火憐「熱が無さすぎるんだよ。体温計で測ったら、20度だった」 
  
 でも心臓は動いてるし呼吸もしているんだよ、と困った様な表情で言う。 
  
 阿良々木「何があったか、知ってる事を教えてくれないか」 
70:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:37:33.76 ID:pV04h44/0
 阿良々木「忍、これはお前なら何とか出来そうか?」 
  
 忍は、にゅっ、と影から姿を現わすと、月火の様子を細かに見ていく。 
  
 忍野「これは不味いぞ、お前様よ。いや、状況の悪さと味をかけた訳では無いのだが、皮肉にもどちらも当てはまろう」 
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