20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:22:40.97 ID:ah/HvYxA0
  
  「酒をかっ喰らって、良い男を振り回して、安酒屋の売れ残りを誑かすようなのばっかりか」 
  「……ふふ、大丈夫ですよ。残り物には福があるって、確かな情報筋から仕入れました」 
  「そりゃ良い事を聞いちまった。で?」 
  「そうですね……」 
21:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:30:01.58 ID:ah/HvYxA0
  
  「そうか」 
  「はい」 
  「ありがとよ。店じまいだ」 
  「はい……あ、そういえばお幾らでしょう」 
22:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:37:22.17 ID:ah/HvYxA0
  
  「ほら、プロデューサー。閉店ですよ」 
  「……ん……んん?」 
  
 俺が首を捻っていると、姉ちゃんが兄ちゃんの身体を軽く揺すり始めた。 
23:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:55:53.11 ID:ah/HvYxA0
  
  
  「では、ご馳走様でした」 
  
  
24:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:59:45.99 ID:ah/HvYxA0
  
  ― = ― ≡ ― = ― 
  
  
  「おーう! やってるかい大将!」 
25:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 16:07:39.79 ID:ah/HvYxA0
  
 正直に言う――笑った。 
  
 ネットってのは便利なモンで、高垣楓と入力すればあっという間に数十万件のページがヒットした。 
 曰く、所属プロダクションでも指折りの看板アイドル。 
26:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 16:35:50.12 ID:ah/HvYxA0
  
 座ったまま暖簾を覗き込もうと引っ繰り返った酔いどれを放って、飾ってあった色紙の埃を軽く払う。 
  
  
  『オススメ! こいかぜに来いかぜ♪ 高垣楓』 
27:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 16:46:00.68 ID:ah/HvYxA0
  
  「チクショ! 次はいつ来んだよ!」 
  「俺が知るか」 
  「あーあ会いてぇなぁ楓ちゃん」 
  「なら毎週ここで飲め。そんで金落としてけ」 
28:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 16:58:56.11 ID:ah/HvYxA0
  
  「……飲むかい。清酒の大中小とあるよ」 
  「あ、えっと、小で」 
  「私も」 
  
29:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 17:02:05.71 ID:ah/HvYxA0
  
  
  でもそのお店、金曜の夜しか開いてないんです。 
  けっこう穴場のお店で、あ、言っちゃってもよかったのかしら。 
  おでんが美味しくてですね、お酒が進みますよ。 
30:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 17:13:12.87 ID:ah/HvYxA0
  
  ― = ― ≡ ― = ― 
  
  
  『センターより各車。駅西足りずー。応援願いますーどうぞ』 
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