4: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:02:42.27 ID:wXMMdwi10
 応援もなしにお仕事はおつらいでしょうと、シューコちゃんがせっせと愛嬌を振りまいてあげていたんだけれど、事務所の中はびっくりするくらい時間が経つのが遅い。 
  
 あたしがここに来たのが10時前で……。 
  
 驚き。 
5: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:03:15.23 ID:wXMMdwi10
 「ふーん、意外」 
  
  
 「なにが?」 
  
6: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:03:49.55 ID:wXMMdwi10
 「もっとこう、選挙だー! やばいー! みたいな感じだと思ってた」 
  
  
 「いやー、なんだかんだ言っても7回目だしなあ。手慣れたもんよ。それに」 
  
7: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:04:37.73 ID:wXMMdwi10
 「なんてったって、目の前にシンデレラがいるからなあ」 
  
  
 あたしのおかげかー。 
  
8: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:05:24.07 ID:wXMMdwi10
 「んー、そっか」 
  
  
 少し気のないあたしの返事をどう思ったのだろうか。 
  
9: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:05:56.64 ID:wXMMdwi10
 「なー、プロデューサーさん」 
  
  
 「なんだ? 昼飯か?」 
  
10: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:07:09.72 ID:wXMMdwi10
 かすかに聞こえたのは、多分笑い声になり損ねた鼻息だろう。 
  
 プロデューサーさんは相変わらずあたしに横顔を向けたまま。 
  
 右手は電卓の上でカタカタ、左手は積み上げられた書類の山から引っ張り出したファイルを忙しそうにめくっている。 
11: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:07:53.28 ID:wXMMdwi10
 「プロデューサーさんは中華がお好み?」 
  
  
 「いや、いかにも身体に良くない量と味付けが食欲をそそる」 
  
12: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:08:23.27 ID:wXMMdwi10
 「最悪やわ」 
  
  
 わざとちょっとキツい感じで、口を尖らせる。 
  
13: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:09:09.32 ID:wXMMdwi10
 あら、やっぱりいいこと聞いたかもしれないな。 
  
 慌てふためくプロデューサーさんを見るのなんて、いつ以来だろう。 
  
 どーしよっかなー、と鼻歌交じりに足を振るあたしをよそに、プロデューサーさんは積み上げられていたファイルをいくつかどさどさとちひろさんの机に押しのけている。 
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