67:名無しNIPPER[saga]
2018/04/20(金) 22:38:55.20 ID:oAmRbez70
◯
妹が友達を連れてきた。
その友達ちゃんと目を合わせた時、俺は「あっ」と思った。
いつだったか、男子生徒に告白して、見事にフラれた挙句泣いていたあの女の子である。
かなり衝撃的な光景だったので、よく覚えている。
しかし彼女は、あの時の光景を俺に見られていたということを知らない。
俺がついつい友達ちゃんのことをジッと見ていると、彼女が戸惑った表情を浮かべた。
「あ、あの、わたしの顔に何か付いてますか?」
「え? いや、別にそう言うわけではないです」
友達ちゃんは、ますます不思議そうに首をかしげた。
「ちょっとお兄ちゃん見つめすぎ。トモちゃんが可愛いのはわかるけどヤメて。気持ち悪い」
どうやら友達はトモちゃんと言うらしい。隣にいた愛華に、蔑むような目で見られる。
はいはいお兄ちゃんは退場しましょう。
「ゆっくりしていってね」とトモちゃんに声をかけてから、俺は立ち去った。
なぜか背後からトモちゃんからの視線を強く感じたような気がした。
気のせい、もしくは自意識過剰という可能性がとても高いが。
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