96:名無しNIPPER[saga]
2018/04/21(土) 20:59:39.68 ID:LYLIZ9K70
「あのさ、愛華」
「なにー、お兄ちゃん」
俺の部屋で漫画を読んでいた愛華に、俺は話しかける。
「なんで俺の下駄箱の中、覗こうと思ったんだ?」
そう口にした途端、愛華の表情の雲行きが怪しくなった。
一口に言えば、機嫌が悪くなった。
「……私のこと、怒るの?」
「いや別に。ただ、どうしてあんなことをしたのかな、と」
「別に、……なんとなく」
愛華は俺と目を合わせない。
「なんとなくで、やることではないだろ。さすがに、」
「知らない! そんなの私の勝手じゃん!」
愛華は立ち上がって、俺をひと睨みすると部屋から出て行った。
俺は頭を掻きながら呟く。
「間違えたかな……」
なんとなく、すれ違う、食い違う、噛み合わない。
俺は別に愛華を責めたいわけでないと言うのに。
だが、今の彼女に何を言っても無意味だろう。
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