99:名無しNIPPER[saga]
2018/04/21(土) 21:14:11.60 ID:LYLIZ9K70
◯
「ねぇ、お兄ちゃん。私のこと好き?」
唐突だった。
いきなり俺の部屋にやって来て、愛華は俺の目を見る。
「好きだよ」
「本当に?」
「マジだよ」
「どのくらい」
「宇宙で一番」
愛華は俺の目の前にやってくると、両手を広げた。
「抱きしめて」
俺は愛華の背中に両手を回すと、軽く力を入れた。
「……もっと」
力を入れる。
「もっと」
思い切り抱きしめた。
「もっと」
「もう無理です」
「お兄ちゃんって力ないんだね」
「それは悪い」
「お兄ちゃんはさ、私が嫌な女だって思う?」
「思わない」
「お兄ちゃんはさ、私のこと嫌い?」
「さっき好きって言ったろ」
「私のこと、嫌いにならない?」
「ならない」
「絶対?」
「絶対」
「ずっと私のそばにいる?」
「いる」
「じゃあさ、これから私以外の女と喋らないで」
「それは厳しい、ちょっと無理がある」
俺がそう言うと、愛華が俺の背中に爪を立てた。
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