ある朝起きると、逸見エリカは一匹の巨大なワニに変身していた
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/17(火) 18:57:44.89 ID:opkaBdCO0
くそっ、エリカだからと思って油断していた! 奴はいまワニなのだ。猛獣なのだ。腕力では確実にこちらを上回っている。
あ。まさかワニに変身したのも、私をパワーで亡き者して隊長の座を奪う為では……?
まほ「させるか、西住流に敗北はない。みほ、私に力を貸してくれ……!」
と、私が言ったところで。
ワニ「……」
まほ「?」
エリカは急に力を抜き、私をベッドの上に残して距離を取った。さっきもこんなことがあった気がする。
そこでふと、ある仮説が私の脳裏をよぎる。
いや、まさかな。
しかし、もしかすると……
私は恐る恐る、ベッドの上からこちらを見つめるワニに言葉を投げかけてみた。
まほ「まさか……お前、実はエリカじゃなくてみほ」
ワニ「ギャギャルルルルル!」
まほ「ぬぉぉぉぉおおお!?」
私の台詞を遮って、ワニは何か物凄い回転をしながら飛び掛かってきた。
絶対に食い千切ってやる! そんな意志が形となって表出したかのような技だ。
名付けるなら戦・天鰐抜刀牙というところだろうか……ワニの牙は本来捕獲用であり、噛み千切る為の回転と組み合わせたこの技とは相性が抜群だ。
なんて考えてる場合ではない! エリカ(みほはこんな攻撃しない)の牙がびっしり生えた顎が目の前にせまっていた。
まほ「西住ターン!」
西住ターンは西住流に伝わるターンである。咄嗟に発動させ、無敵時間を利用して敵をすり抜ける。
躱されたエリカはそのままベッドに突っ込んだ。轟音と共に寝台が捻じれて破砕。こいつ、まじで私を殺りにきたな……?
まほ「そうか……人の心を失ってしまったんだな……なにか、なにか手はないのか!? 誰か、エリカを助けてくれ!」
私は付けっぱなしにしておいた咽頭マイクに手を伸ばした。56口径8.8cmの雨で粉々にしてやる。
だが、その支援砲撃の要請は中断せざるを得なかった。
まほ「……穴?」
そう、破壊されたベッドの下から、底を見通すことのできない深い奈落が現れたからである。
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