136: ◆PL.V193blo[sage saga]
2018/04/23(月) 22:11:55.53 ID:uqQOtxCi0
「泣きたくなったら、うんと泣いてください。」
顔を、頭を、撫でていく温もり。
「もう、好きなだけ、泣いてください。僕が全部、拭きますから。涙が渇いて、笑えるようになるまで、ずっと。僕はこれから先、二度と、貴女の側を離れませんから。」
意外とごつごつした、小さいけど逞しい掌が、私の頬を包む。
そっと手を添わせれば、互いのぬくもりが通った。
「きっと私、いま、変な顔です。」
泣きながら、笑っています。
変な子だって、思いませんか?
「いいんですよ。楓さんですから。」
この涙の、この気持ちの。理由はわかりません。わかる必要も、無いのでしょう。
「――――っ」
彼の胸と、私の胸を合わせる。心臓をくっつけるみたいに。
顎を、その肩に乗せる。最初から、そうだったみたいに。
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