8: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/18(水) 18:44:22.42 ID:hD9nuK1M0
うまく笑えていたのかはわからぬ。
じゃが、楓に笑えと言いながら、男の己が泣くわけにはいかぬと思うた。
ゆえに、少年は、精一杯の力を込めて笑顔を作った。
『たとえ千両でも用意できるようになれる立派な男になって、おまんを迎えに行くから。じゃから、俺がいのいちに見付けられるように、天下一等の歌い手になってけろ』
このとき、この少年の生きる目的が、その意味がはっきり決まったのだ。
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