高垣楓「君の名は!」P「はい?」
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80: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:36:47.67 ID:NMaauvKO0

◇◇◇◇

「あんっ……! だめ、ですよぉっ……プロデューサーのドSぅ……」
「……なんの夢見てるのか知りませんが、起きたらすっぱり忘れていてくださいね」

悩ましげな声をあげる隣を見遣れば、陽射しに包まれながら気持ち良さそうに寝息を立てている。
おちょこをミネラルウォーターのペットボトルに持ち替え、寝起きに飲んだ頭痛薬がようやく効いてきたと見えて、ガンガンと頭を締め付ける不快な痛みはだいぶ和らいでいた。
あれだけしこたま呑んで、電車の固い座椅子でうたた寝すれば、そりゃ頭も痛くなろうってものだが。
隣の美女は、僕の1.5倍は呑んでけろっとしていたものだ。この細い体に、どうやったらあれだけの酒が入るんだろう。

「いやっ、立ったままなんてぇっ……ふふっ、そんなに私を、辱めたいんですか……」
「いやにはっきりした寝言なのか、狸寝入りなのか……」

どっちもいかにもやりそうであるからこの人は読めないんだが。

「ふふっ、焼酎は……しょっちゅう……くう……」

あ、大丈夫だ、コレは寝ている。

「…………」

この人は時々、生身の人だと思ないほど美しい。
この横顔に、この国の一億人が恋をするんだ。男も女も、この人の互い違いの瞳に、“こいかぜ”を歌う声に、くぎ付けになる。
それは確かに、ある意味で人を超えている。“女神”とかってのは、案外、洒落じゃないかも。
そんな彼女の隣に居るのが自分であることに、疑問を覚えたことは、僕は一度もなかった。
『貴方に逢えて良かった』と、貴女は言う。



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