レッド「無口だし幽霊」
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8: ◆nIESo90.aY[saga]
2018/04/19(木) 19:09:24.66 ID:pZdGRdJL0
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あの時、実際彼は口を開いたのだ。
「なんだ……挑戦者じゃないんだ」と。
彼は決して喋らないと事前に聞いていた私は驚いて、少年の顔をじっと見つめてしまった。
それを不審に思ったのかは知らないが、眉根を寄せて私を見返した。
「……じゃあ、帰って」
彼はそう言ったが、私は好奇心を抑えきれず彼に尋ねた。君はレッドなのか、と。
あの、噂の。レッドなのか、と。
彼は吹雪の中、街中で駆け回る子供たちと同じくらいの軽装で、しかし寒がるような素振りはせず、表情を変えずに言った。
「……僕は、"レッド"だよ」
そう聞いた瞬間、私は喜びに震えた。噂は本当だったのだ。行方不明になった少年がここで生きて、挑戦者を待つという噂は。
しかし、その喜びは彼の次の一言にかき消された。
「……君たちが、そう思っている間はね」


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