23:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:21:40.43 ID:25rQ95o00
その名前が出て、私は少し驚いた。
でも、予想もしていたから、静かに笑みを返した。
「仕事の話って言うのは、嘘みたいですねー」
「まあ、間違ってもいないさ……色々ほたるの件で、迷惑かけたな」
「迷惑なんてそんな」
プロデューサーは不器用に微笑んだ。申し訳なさもあるのだろう。どうやら、ちひろさんなどから私とほたるちゃんの事情は聞いているようだ。
きっと、私の意図などなにも理解していない笑みだ。
「ずっとそばにいてくれたんだろう。本当に助かってる。ほたるも仕事やレッスンを休みがちになってたって話だし……でも、いつまでも迷惑をかけられないよ」
「というと?」
「茄子の仕事だってあるんだ。ずっとべったりってわけにもいかないだろ。あれは俺の不注意のせいだったんだ。ほたるにはなにも悪いことはない。それを伝えて、またしっかり仕事に励んでほしいんだ」
「つまり、ほたるちゃんともう、一緒にいなくていいと?」
「しばらくはほたるとつきっきりになるから、まだお前らを放っておくことにはなるかもだけど」
「……でも」
私は片手を頬に添え、視線をさまよわせてから、プロデューサーを見た。
彼は不思議そうに私の視線を受け止めていた。
「私は、そうしない方がいいと思いますけど」
62Res/57.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20