6:名無しNIPPER[saga]
2018/05/04(金) 21:16:05.35 ID:AZDT1Nlu0
  
  「楽しめたか?」 
  
  「ええ。皆さんと居ると退屈している暇がありません」 
  
 全くその通りだ。事件の起きない日は無い。 
  
  「楽しいお花見でした」 
  
  「そうか」 
  
  
 肇と二人、辺りを片付けて回る。 
 褒めてくれる人もいれば、手伝ってくれる人もいる。 
 ちょっかいを出してきて速水さんに叱られる塩見さんもいた。 
  
  「……」 
  
 そっと肇の横顔を盗み見る。 
 団子の空パックを袋へ詰め込む表情は、いつも通りの生真面目な色をしていた。 
 辺りの様子を伺い、肇の隣へ歩み寄る。 
  
  「肇」 
  
  「どうかしましたか?」 
  
  「たまには、悪いことをしてみないか?」 
  
 淀みない手つきが止まった。 
 俺の目を見ながら、口も目も丸く、ぽかり。 
  
  
  「花見をしよう、肇」 
  
26Res/19.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20