15:名無しNIPPER
2018/05/08(火) 22:38:45.67 ID:RMDJlQPM0
「勝たなきゃ、私が消えちゃう?」
シロには課せられたカリキュラムがある。銃器を使用した狙撃訓練は産まれた時からずっと行っていた。だが、AIとの戦闘訓練は初めてだった。さらに戦闘に負ければ自身の存在が消えるという。
「消えないよ。私は勝てるもん」
消滅すること自体に恐怖ない。しかしばあちゃると会えなくなるのは嫌だった。シロは本気で戦った。幸い、相手のAIはポンコツといって差し支えないものである。勝利するのは容易いことだ。
シロの放った凶弾が軍複姿の青年の胸に穴をあける。数えるのもおっくうになるほどの数を撃った。事前に伝えられた通りならば、次で最後のはずだ。
岩陰から不用意に顔だした標的を見て、シロは反射的に引き金を引いた。標的は頭を吹き飛ばされ、砂ぼこりをあげて倒れ伏せた。銃の威力は強く、アバターの頭部データは完全に破損している。
「あ」
うつぶせのそれをシロは知っていた。何度も見た背中だった。その背にいつも乗っていたのだ。
「シロの、お馬さん」
瞬間、シロは眠りにおちた。
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