42: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:27:31.58 ID:aw+Q2owr0
「ふふ」
と、お姉さんは微笑しました。
なにか、憑き物が落ちたかのようなお顔でございます。
「不思議ね……何か、楽になったわ。馬鹿みたいね。
これほど長くここにいて、話し相手が欲しかっただけだなんて」
「お話は大事でございますよー。話さなければわからないこと、たくさんです」
「そうね。……ありがとう、なんだかすっきりしちゃった」
と、お姉さんの体が薄まっていきます。
ああ、いってしまわれるのですね。
どんな奇術よりも不思議なことが、今目の前で起ころうとしております。
お姉さんは、ここではないどこかへいこうとしているのです。
彼女は薄まる体をそのままに、こちらを見据えて言います。
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