あの日見たアイドルの名は…
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/14(月) 21:00:23.28 ID:xVphMpFA0
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。

短め、書き溜めありです。

菜々さんの総選挙1位おめでとうSSです。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/14(月) 21:00:42.82 ID:xVphMpFA0
俺は昔、地下アイドルのライブにハマっていた。

彼女たちが不器用に自分を表現しようとする姿が好きだった。

拙いステージを盛り上げようとする客達の熱気が好きだった。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:01:10.29 ID:xVphMpFA0
……その中で一人、気になる子がいた。

気になると言っても恋愛感情ではない。

その子は独自の世界観を持ち、それを自らの努力で表現しようとしていた。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:01:44.96 ID:xVphMpFA0
しかし――

彼女はどんなに疲れていようと、

どんなに体調が悪かろうと、
以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:02:12.31 ID:xVphMpFA0
彼女は「ウサミン」。

地下のステージで特異な輝きを放つ彼女。

本名は知らない。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:02:41.55 ID:xVphMpFA0
彼女のファンも少しずつだが増えていき。

常連たちと軽口を叩き合うような楽しい空間。

彼女が作りたかった世界がきっとここには完成していた。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:03:10.35 ID:xVphMpFA0
――ある日を境に彼女は地下のステージに姿を現わさなくなった。

不思議に思うものは誰もいなかった。

ここはそういう場所だ。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:03:38.17 ID:xVphMpFA0
「あぁやっぱり」

「よくある事だよ」

「残念だ」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:04:13.55 ID:xVphMpFA0
――時は流れて数年後

社会人になった俺は毎日くたくたになって家に戻る。

学生時代に好きだったことをするような気力も無く、たまの休日は家で寝ているだけ。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:04:56.39 ID:xVphMpFA0
安アパートの一室。

カンカンと音を立てて階段を登り、自分の部屋へとたどり着く。

スーツを脱ぎ、テレビの前にドカッと腰を下ろし電源を入れる。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:05:52.98 ID:xVphMpFA0
このコメンテーターみたいに何かに夢中になれるということはもう無いだろう。

そんな体力はもう残っていない。

仕事をしながら好きな事をやるって大変だな…
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:06:28.01 ID:xVphMpFA0
野球は終盤になり、キャッツは逆転ホームランを食らってサヨナラ負け。

あのコメンテーターが打たれたピッチャーに向けて泣きながら罵詈雑言を吐いている。

「これ放送して良いのかよ…」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:07:23.82 ID:xVphMpFA0
「今年1位に輝いたのは……」

アナウンサーが読み上げ、画面に映し出されたのは……

あの日居なくなったはずの「ウサミン」だった。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:07:52.04 ID:xVphMpFA0
――あぁ

彼女は諦めてなんていなかった。

諦めることが当たり前になっていた俺達の想像を超えて、彼女の諦めはずっと悪かったらしい。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:08:23.70 ID:xVphMpFA0
あの日から結構な時間が経っている

しかし彼女はあの時よりも若々しく…いや、キラキラと眩しく輝いていた。

ステージ上の彼女の仲間達も、その会場に居るファン達も、皆が涙を流して彼女を祝福していた。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:08:59.03 ID:xVphMpFA0
結果だけを短く伝えるとニュースは終わり、次の番組が始まった。

俺はそれに目もくれず、彼女の活躍を検索していた。

俺が知らなかっただけで、これまでに色々な仕事をしていたらしい。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:09:33.70 ID:xVphMpFA0
別にそこまで彼女に入れ込んでいたわけでもない。

むしろ今の今まで存在を忘れていた。

しかしあの一瞬、目に飛び込んできた彼女の笑顔は俺の心を確かに震わせた。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:10:01.40 ID:xVphMpFA0
――あの日出会ったウサミン星人に

――夢を叶えた安部菜々に

――乾杯
以下略 AAS



19:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:10:30.70 ID:xVphMpFA0
チュンチュン…

「ぁ……寝てた……」

時間を見ると結構ヤバい。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:10:56.97 ID:xVphMpFA0
外は晴れ。

香る薫風が肌に心地良い。

住まう安アパートの玄関から見渡す景色は
以下略 AAS



21:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 21:11:45.20 ID:xVphMpFA0
おわりです、お付き合いありがとうございました。

菜々さん7代目シンデレラ本当におめでとう!


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